こんにちは。
名古屋生まれ名古屋育ち名古屋在住の名古屋市役所の職員、石原 治と申します。
名古屋の企業によるメイド・イン・ナゴヤの製品に囲まれて日々暮らしている一般人ですが、名古屋の企業と製品という切り口で、私の愛用している製品を紹介しながら、あまり知られていないかもしれないけれど、名古屋にはいろいろな企業やその製品があること、すなわち、メイド・イン・ナゴヤの魅力をお伝えできると良いなと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
今回紹介するのは、パイロットインキです。
コンテンツ
パイロットインキとは
パイロットインキは名古屋市昭和区の御器所に本社がある、万年筆やボールペンなどの筆記具を製造販売するパイロットコーポレーションの関連会社です。
1948年(昭和23年)に、パイロットコーポレーション(当時はパイロット万年筆)のインキを製造する名古屋工場としてスタート。
その後、1950年(昭和25年)にパイロットインキとして分社化され、現在に至ります。
設立70周年を迎えた2020年(令和2年)には新社屋が完成しました。
消せるボールペンのフリクションインキ
パイロットの最近のヒット作といえば、消せるインキを使ったボールペン「フリクション」です。
2006年(平成18年)の発売(日本での発売は2007年(平成19年))以降、まさにボールペンの常識を変えたこの商品は、累計30億本以上を売り上げるメガヒット商品となりました。
私もこのフリクションのボールペンを使っています。
愛用しているのはフリクションポイントノック04。
消せるインキを間違って消してはいけない書類に使用しないように、黒は使わず、赤や青のものを使っています。
フリクションの消せるインキを開発した会社こそが、名古屋市に本社があるパイロットインキなのです。
⇒フリクション開発ストーリー
そもそも、フリクションってどんな性質?
細書きで滑らかな書き味を実現するシナジーチップ
もうひとつ、フリクションポイントノック04に搭載されているのは、滑らかな書き味を実現するシナジーチップ。
「シナジーチップ」とは、細書きに適した極細のステンレスパイプの先端にくぼみをつけて、ボールを点で支える構造の「パイプチップ」と、一般的なボールペンに使われる、円錐形で、チップ強度が強く、安定して書きやすい「コーンチップ」のそれぞれの特長を活かした構造・形状のチップです。
このシナジーチップも、パイロットインキが開発しました。
⇒開発ストーリー
フリクションインキの前身「メタモカラー」
消せるボールペン「フリクション」が発売されたのは2006年(平成18年)ですが、パイロットインキでは1975年(昭和50年)に、温度によって色が変わるインキ「メタモカラー」の開発に成功し、特許を取得していました。
消せるボールペンの製品化までに、30年間の歳月を要したことになります。
この間、1984年(昭和59年)には、ロス五輪の入場チケットに偽造防止のためにメタモカラーが使われています。
メタモカラーを使用したパイロットインキの商品もあり、私が購入して今持っているものとしては、お湯や温かい飲み物を入れると柄が変わるマグカップがあります。
富士山の図柄のマグカップですが、お湯を入れると雲が消え、陽が昇り、逆さ富士が現れます。
また、お湯につけたり温風をあてたりすると、色が変わるハンカチも持っています。
このほか、水にぬれると色があらわれる水発色「ハイドロクロミック」や日光があたると色があらわれる紫外線発色「ソリオカラー」もパイロットインキの技術です。
またパイロットコーポレーションが発売する、1秒で乾く筆ペン「瞬筆」に使われている速乾インキも、パイロットインキの技術です。
パイロットインキの玩具【アヒル隊長】
パイロットインキは、筆記具の製造開発のほか、玩具の製造販売もしています。
知育に役立つ様々な商品があります。
おそらく、パイロットインキの商品でもっとも有名な玩具は、アヒル隊長ではないでしょうか。
水面を泳ぎ、口から水を吹き出します。
大人でも、見ていて楽しいですね。
メタモカラーを使った、アヒル隊長のキャラクター商品もあります。
私が購入して持っているのはメッセージマグカップ。
お湯を注ぐと文字が浮き出てきます。
あひる隊長に癒される、パイロットインキのインキ×玩具の自社内コラボレーションですね。
手を汚さずに手形を残す おたんじょうきろく
パイロットインキの商品には、赤ちゃんの手形を残す「おたんじょうきろく」があります。
発色液を手に塗って発色紙に押し付けることで手形ができます。
失敗した場合に水洗いすれば再度手形をとることができる、パイロットインキの技術を使った商品です。
消せるボールペンを使っているときには、そのインキを開発した会社は名古屋にあることを思い出してほしいと思います。
そして、色が変わるマグカップやハンカチに興味があるならば、#メイド・イン・ナゴヤを買おう。
この記事を書いてくれたのは?
この記事は名古屋市職員の石原治が寄稿しました。
なお、記事の作成は完全にプライベートでおこなっており、内容はすべて個人の見解です。
名古屋市はじめ所属する団体とは無関係であることを念のために付記させていただきます。
おいなごちゃんもアヒル隊長とお風呂に入りました!
パイロットインキの本社がある、名古屋においでよ。
お風呂でお馴染み!
アヒル隊長も、パイロットインキの商品だよ~! pic.twitter.com/TRihgCiXtZ— おいでよ名古屋@おいなご (@oinagoya) June 22, 2021
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